Level 7 世界的なプレイヤーになるために

結論から言えば、海外の多人数が出場するトーナメントにたくさん出場して勝つ、または、上位入賞しまくることです。

世界のトッププレイヤーの何人かは、ゴルフやテニスのツアーのように、各地で開催されるピンボールトーナメントに参加し、賞金を稼いでいます。賞金自体は大したことありませんが、旅費や宿泊費程度にはなるでしょう。そういうプレイヤーたちは、セレブなプレイヤーが多いので、金額の多寡はあまり気にしません。それよりも、やはり名誉です。楯、カップ、トロフィーはその栄光を刻みます。

筆者も、賞金より楯やトロフィーがどうしても欲しかったです。最初に海外で出場したビッグトーナメントではベスト8で、惜しくもあと1歩で届きませんでしたが、次回のトーナメントではトロフィーを持ち帰ることができました。数kgある木製のトロフィーを部品ごとにバラバラに分解して、空のスーツケースに詰め込んで持ち帰りました。自分の目標が叶った瞬間で、その時の感動は当事者しか得られないものだと思います。

また、トッププレイヤーに肩を並べるようになると、違った景色が見えてくるようになります。見知らぬプレイヤーからフレンドリーに声をかけられ、親交を深めたいと思っている人が寄ってきます。そうなった時には、あなたは、既に、上級プレイヤーとして尊敬されている状態にいることでしょう。

ピンボールプレイが上手な人は、世界中にゴマンといます。インターネットが普及する以前は、情報の拡散も遅かったため、有名どころのプレイヤーもだいたい決まっていましたが、Youtube等で誰もが上手なプレイヤーのプレイを参考にできる時代になったころから、続々と中級者が増え、ピンボール人口が増えていきました。この中を勝ち抜いて、トッププレイヤーに並ぶのは至難の業な時代が到来しています。

しかしながら、30年前の日本のトッププレイヤーたちは、今でも現役で通じるプレイができているのもまた事実であり、この傾向は日本だけではなく、往来の名プレイヤーたちは、自分で限界を作らず、今でもその状態を維持しており、皆の目標となっています。現在の日本では、国内トーナメントだけで世界のTOP 100に入ることは、国内の参加者が少ないため不可能です。この領域を本気で狙う人は、海外のトーナメントに進出して勝利を重ねていかなければなりません。または、国内で常時64人以上招集できるトーナメントを毎月開催し、全てに優勝する。そういレベルです。

現在ではWPPRというピンボールプレイヤーの明確な指標があるので、どんなにピンボールが上手いと言っても、世界で認めるのはこの指標です。TOP100に入るプレイヤーを、Power 100と呼んでいます。ここに名を連ねるプレイヤーは、世界的に有名なプレイヤーとなっているでしょう。

海外でトーナメントに出場すると、あいさつ代わりに

「お前のランキングはいくつだ?」

と聞かれることがあります。各国のマスコミもランキングを気にします。ランキングが低いとニュースのネタにもなりづらいので、形式的な取材だけで終わってしまうこともしばしばあります。筆者も、世界大会の決勝トーナメントに進出した時に、フランスのメディアから取材をされましたが、当時世界ランク777位だったため、形式的な取材で終わりました。プレイヤーは、その挨拶の一つで、自分より格上のプレイヤーなのか格下のプレイヤーなのかを判別し、戦略も変えてきます。

また、残念なことに、この指標は、ピンボールプレイヤーの少ない国、トーナメント参加者の少ない国では、ポイントの算出上、とても不利に働きます。

もし、ピンボールに興味を持って、トーナメントに参加してくれるプレイヤーが増えると、アメリカ勢なみのポイントを得ることが可能になってくる時代が到来するかもしれません。既にヨーロッパではそういう領域に達しているため、非常に高得点が得られています。日本も、是非、そうなることを祈って、私共も活動を続けています。