Level 5 トーナメントに参加しよう

国内トーナメント

日本国内の公式トーナメントでは、ピンボールの設置場所も少ないことがあって、非常に限られた場所でしか開催されていません。公式トーナメントで開催されている地方としては、JFPA主催以外を含めても、2020年実績では、

北海道、群馬、東京、大阪

の4地方です。

公式トーナメントでは、プレイヤーに対するいかなる差別も禁止されており、特別な事情がない限り、参加を希望するプレイヤーは全て受け入れられます。例外は、大会場所の収容人数に制限があったり、大会の進行を妨害したり、トーナメントディレクター(TD)の指示に従わない場合等です。また、TDが参加者数を制限する場合は、告知の上、合理的な方法が取られなければなりません。

JFPA主催トーナメントでは、ピンボールの上手・下手に限らず、全ての参加者を歓迎します。特に初心者ほど大歓迎です。ピンボールのプレイを競うというだけではなく、コミュニケーションの場として参加するくらいの意識で大丈夫なのです。

海外トーナメント

海外のトーナメントは、アメリカはもちろん、ヨーロッパ、オセアニアでもかなり盛んです。残念ながら、アジアで開催されているのは、日本と台湾のみです。台湾は2019年から公式トーナメントを開催しています。台湾のピンボールクラブとアメリカテキサス州の巨大ピンボールクラブであるBCPC(Bat City Pinball Club)はトーナメントでも交流があります。海外のトーナメントが楽しいのは、プレイ技術を競うことはもちろんのこと、それに付随する宴会(アフターパーティ)です。コロナ渦で今後どうなるかはわかりませんが。とは、いっても、大々的にみんなが参加自由な場合もあれば、こじんまりと仲間内だけでという場合もあります。マルチリンガルな(多言語を話す)プレイヤーが居れば、例え、自分が母国語しか話せなくても、誰かが通訳して話題を共有してくれますし、同じ趣味を通して、普段味わうことのできない楽しさを味わうことがあるかもしれません。また、今の時代では、Google翻訳のようなリアルタイム会話翻訳がとても優れているので、それだけあれば海外でコミュニケーションに困ることもないと思います。筆者も、ここには書くことができませんが、アフターパーティで超楽しかった体験もあります。海外の女性プレイヤーは想像を超えるアクティブさを持っていますよ。単独で海外のトーナメントに行くのが不安な人は、海外トーナメントに慣れている人に付き合って楽しんでくると良いかもしれません。

メジャートーナメント

後述する、IFPF World Championshipの他に、次の3つのメジャートーナメントがあります。

* Pinburgh Matchplay Tournament(PINBURGH)

アメリカイリノイ州ピッツバーグで行われる、世界一の参加者数が集うビッグトーナメントです。例年、ものすごい勢いで参加者が増えてしまい、2019年の参加枠1000人でしたが、ライブチケットのように瞬く間に参加チケットが売り切れてしまうため、トーナメントに参加すること自体が困難になっています。会場も巨大ですが、3日間で決着をつけなければならないトーナメントとしては、これ以上の参加枠を増やすことは厳しいと思われます。どんなトーナメントでもそうですが、一部のVIPプレイヤーは実質的に優先参加ができます。また、別売りのVIPチケットが数倍高いのでそれを購入すれば、多少は参加できる確率は上がります。

予選は1人が3~4人同時プレイで数セット対戦し、順位点の総合点で決められますが、実力順に予選を通過するのではなく、2019年の例でいうと、まず、実力順に200名毎にディビジョン(ブロック)分けされ、各々のディビジョンの上位40名(2割)が決勝に進出できるというものです。その後、残りの試合を消化していき、各ブロックの上位者がそれぞれのディビジョンの決勝進出となります。2019年のA Divisionの優勝賞金は、$15,000で、各Divisionの上位5人まで賞金が授与されます。

1000人もの参加者がいる中で、連覇する人もいるわけですから、ピンボールは運のゲームではないことがわかりますね。世界を狙う人は上位40位が目標になります。

(参考)Pinburgは現在の方式になる前は、A,B,C Divisionへの自己申告制でした。制限時間内に何度でもトライできましたが、数機種のプレイ結果を1セットとしてその時点の全台の順位点の合計で競います。1台調子よくてもダメで、プレイした機種の全てで「同時に」好成績を残さないと予選を通過できませんでした。日本からは2002年に2名が、A Divisionに参加し、個人4位と18位の結果を残しています。また、この時に行われたダブルスは日本の2名で優勝しています。


* Pro and Amateur Pinball Association Pinball Tournament(PAPA)

プロ&アマチュアピンボール協会が開催する世界的トーナメントです。2021年現在20回開催されており、直近の大会である2017年のPAPA20では当時、高校生だった、Echer Lefkoffが優勝し、初の10代優勝者として話題をさらいました。2018年以降は開催されていません。日本からは、1995年のPAPA 5の時に1名が参加し、A Divisionで14位、その後20年の時を経て、2016年のPAPA 19に5名が参加し、そのうちの1名がClassic III 部門で3位に輝いています。


* Europe Pinball Championship Tournament (EPC)

ヨーロッパエリア最大級のピンボールトーナメントです。参加者はヨーロッパ在住である必要はないため、他の地方からも参加者がいます。日本からは、まだ出場したことがありません。EPCへの参加を筆者も促されていますが、なかなか足を運べずにいます


IFPAの規定により、これらのメジャートーナメントで得たポイントは50%割増しとなります。

世界トーナメント(IFPA World Championship)

IFPAが20世紀中に主催した、第1回~第4回までは、ポイントランキング制ではなかったので、実力があれば出場できました。それでも、日本国内から出場したのは僅か5名のみです。当時は、シングルスの他に、ダブルスやクロスハンド等、様々な部門がありました。旧大会では、日本からは、1993年の第3回世界大会にしか出場していませんが、ダブルス優勝、シングルス世界3位、その他全員が何らかの部門トーナメントを優勝するなどの活躍がありました。

その後、10年以上の休止期間を経て、2008年の第5回からはポイントランキング制が採用されました。但し、結果のわかっているビッグトーナメントに関しては、1990年からデータとしては有効になっています。IFPAが規定している条件を満たしていて、直近3年間の重複しないトーナメント参加者が50名以上の国で、毎年1月1日現在の国別ランキングで上位2名のプレイヤーに対し、IFPA世界大会の出場権が与えられます。各国2名の優先出場権がありますが、欠場者が出た場合は、世界ランキングの上位者順で出場希望者から選ばれます。予選は選抜された64名で2日間の日程で行われ、上位32名が3日目の決勝トーナメントに進出できます。予選枠順は、WPPR(World Pinball Players Ranking)の成績で割り当てられます。また、予選上位者ほど、決勝トーナメントでは有利になります。北米選手権とヨーロッパ選手権の優勝者にも優先出場権が与えられています。開催国は7~8か国の持ち回りで毎年変更されます。

公式ランキングポイント

IFPA(International Flipper Pinball Association)では、世界ランキングを決定する公式トーナメントの承認を与えています。公式トーナメントには厳格な条件が付されており、条件を満たしたトーナメントにのみ承認が与えられます。世界中で行われている、IFPA公式トーナメントの結果によって、各プレイヤーにポイントが与えられ、ランキングが決定されます。これは、WPPR(World Pinball Players Ranking)と言います。但し、オンライントーナメントであるICR(IFPA Challenge Ranking)は、除外されています。詳しい計算式は、ここでは省略しますが、概ね、下記のようになっています。

・ 過去3年の間に出場したトーナメント(以下、試合)に対して、ポイントが与えられる。

・ トーナメントの格、5回以上の公式大会参加者の数、試合方式、優勝するまでに必要な試合数、世界ランキング1000位以内の人に与えられている強さを示す指数、参加者総数によって計算され、順位毎に付与されるポイントが決定される。

・ 過去3年の間の試合が20を超える場合は、その人が獲得した各々のトーナメントポイントの上位20位までが有効になる。(常に上から20試合分しか加算されない)

・ 過去1年以内の試合は100%満額だが、1年~2年経過の試合は75%、2年~3年経過試合は取得時の50%に減額される。3年を超えたポイントは0になり加算されない。

・ 4大メジャー大会(PINBURGH Championship, PAPA Championship,IFPA World Championship, Europe Pinball Championship)に関しては、ポイントが50%割増しになる。