メンテナンスの視点

メンテナンスは、コレクター視点でのメンテナンスか、プレイヤー視点でのメンテナンスかで大きく分かれます。

コレクターが望むのは、自分が満足するためのレストア、修理、調整を行い、車と同じようなにドレスアップする場合もあります。概ね、綺麗に見せるため、美しさを追求するメンテナンスになります。

これに対して、プレイヤー目線で最重要なのは、如何にゲーム進行を妨げることなく、また、ストレスにならずにプレイできるかという点に尽きます。ここで言うストレスとは、プレイヤーの腕に関係なく、プレイヤーに責がない機械的な問題でのボールの落下やスイッチがヒットしたにも関わらず、度々反応しないなどの事です。

最近は、美しいのと、省電力でLEDを使用することが増えていますし、一昔前の電球を使うことがむしろ稀になってきています。コレクター視点では問題ありませんが、使用する電球によっては、フリッカー(ちらつき)やプレイに影響が出るほどの輝度の高いもの、指向性の強いものもあるので、競技として使用するマシンであれば、その点を考慮する必要が出てきます。各メーカーの新台のLED等については、きちんと調整や、プレイに影響する可能性が低いLEDを使用しているので、ほぼ問題ありませんが、2000年以前のマシンを旧電球からLEDに変更する場合は注意が必要です。著しく眩しい、目に光が刺さる感じはもとより、人によっては、てんかんを起こす人もいるかもしれません。

プレイヤー視点では、スイッチ反応について1度でも反応しないことがあってはいけませんが、反応しない割合が200分の1以下なら筆者は許容範囲内と見ています。ただし、フリッパーボタンに関しては、1度でも反応しないことがあってはならないでしょう。敢えて許容するとすれば1000分の1以下でしょう。

パワープレイヤーにありがちなのが、プレイを続けていると、だんだんランプレーンへボールが昇らなくなるような現象です。コイルの特性上、熱を持つと磁力が弱まるために起きる現象で、それが発生する個体はメンテナンスも厳しいものがあります。解決方法はある程度ありますが、1か所の部品だけではなく、総合的なことを含めて考慮しなければならないため、悩ましいケースも出てきます。いずれにしても、プレイ中にランプレーンが上らなくなるのはゲームとしては論外なので、プレイヤー視点では妥協できない部分です。

他には、オービットレーンを通すと、何回かに1回はどうしようもなくセンターにボールが落下してしまう個体や、スクープからボールを排出したボールが、そのままセンターに落下してしまうなども論外です。これらの個体のティルトレベルが甘く、ナッジング等でリカバーできるなら問題ありませんが、オービットレーンにしろスクープにしろ、プレイヤーのミスショットでないボールがプレイヤーの責によらずに落ちる個体では論外です。筆者の場合、滅多にありませんが、その個体がどうしても構造上、軌道を変更できない部品であって替えがきかないような場合、しかたなくティルトレベルを下げ、Warningも増やし、ナッジングで回避してもらう方向にしています。

このように、誰の視点でメンテナンスするかでメンテナンスの方向性はだいぶん変わります。最終的には、その個体のオーナーの方針に依存するので、一般プレイヤーができることはそう多くはありません。お金を投入してプレイする以上は、理不尽な現象には遭遇したくないものです。